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#2
はちみつの縁
新潟の自然には、目に見えない賑わいがあります。草花が揺れ、季節が移ろい、空気の中にさまざまな香りが混ざり合う。そこに、小さな羽音が加わると、景色は少しだけ立体になります。
DRESSのお菓子に使われているはちみつは、父の新潟養蜂で採れたものです。30年以上、同じ土地で、同じようにミツバチたちと向き合ってきた養蜂場。毎日対話をしながら、変化の小さな兆しを見逃さず、ミツバチが健康でたくましくあることをいちばんに考える。その積み重ねが、はちみつの輪郭をつくっています。
はちみつの味わいは、花の種類によって表情が変わります。甘みの立ち上がり、口当たり、喉の奥に残るほのかな香り。ひとつとして同じものがない自然のゆらぎが、そのまま残る。だからこそ、素材として扱うには、丁寧さが必要になります。
DRESSのお菓子に使われているはちみつは、季節ごとに表情が変わるため、仕込みの前に必ず香りや粘度を確かめます。同じ「はちみつ」という素材でも、その年の天候や花の移ろいで、甘みの立ち上がりや余韻が少しずつ違う。だからこそ、配合や焼きの加減を微調整しながら、DRESSらしい静かな輪郭に整えていきます。
お菓子づくりの中で、はちみつは主張しすぎず、それでも確かに余韻を残します。強い甘さではなく、やわらかい光のように味を支える存在。家族から続くものづくりの姿勢が、DRESSの中で静かに結ばれています。